海外派遣研修事業

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海外派遣研修事業

本研修事業は、諸外国の芸術文化の実情を調査、研究し、その成果を芸術文化活動に反映させ、国際的視野に立った見識を高めると共に、資質の向上を図ることを目的としています。

平成31年度実施実績

  • 研修者名:新見 準平
  • 期 間:平成31年4月24日〜令和元年5月8日
  • 滞在国:オランダ(デン・ハーグ市)
  • 推薦団体:大分二期会
  • 研修目的:オフェルデンクライスメソードを用いた発声法および指導法の研究

4月末よりオランダのデン・ハーグ市を中心に研修を行いました。ボディマッピングのインストラクターであり、オランダ・ロッテルダム音楽院声楽科主任教授のバリトン歌手Frans Huijts教授に「フェルデンクライスメソードを用いた発声法および指導法の研究」をテーマにレッスンをしていただきました。
 「フェルデンクライスメソード」は、人間の機能、発達、学習の理解に向けてのユニークで洗練されたアプローチであり、動きや感覚を新しい方法で探索する、パフォーマンスの質が上がることを促すメソードで、かねてより良いパフォーマンスをするために是非、修得したいと考えていたものです。
 レッスンは6日間、1日2時間のマンツーマン形式で行われました。6日間のレッスンを通してフェルデンクライスメソードの考え方を発声法、指導法に応用する可能性を探ることが出来、今回の研修が声楽家として、また声楽教師として、フェルデンクライスと発声法、指導法を関連付けていく大きなきっかけとなりました。
 また今回、研修の合間に、市内を回りオランダの作曲家、ベルギー・フランデレン地方の作曲家によるオランダ語歌曲など延べ228曲を入手することができ、大きな収穫となりました。日本にはオランダやベルギーの歌曲に関する資料や楽譜が少なく、オランダ語歌曲を日本の声楽家が演奏することを夢見ながら、この分野の研究も少しずつ進めていきたいと思います。
 研修の終わりには、ドイツ中部の都市ヴュルツブルクに足を伸ばし、マインフランケン・ヴュルツブルク歌劇場の見学を兼ねて、H・パーセル「アーサー王」公演を鑑賞してきました。この演目にはセリフがあり、その役に俳優を起用することでオペラファンのみならず多くの観客を動員し、連日満員の公演が続いているようでした。今後、日本の地方においてオペラが浸透してゆくためには、ドイツの地方都市のような見せ方を工夫し、大きな劇場でなくとも継続的に上演されるスタイルを取り入れるべきではないかと思いました。
 今回の研修では、世界の多くの音楽大学やレッスンで取り入れられているメソードを実感するとともに、日本で知られざる楽譜、資料の入手に成果を上げることができ、また伝統と進化が共存するドイツの地方劇場の現状を知ることができました。
 今後も一声楽家として、声楽教師として、大分県の芸術文化の振興に微力ながらも寄与できるよう活動してまいりたいと考えています。